時間をかけて準備したプレゼンが伝わらない、議事録にまとまりがないと言われる。発言を求められ勇気を出して発した言葉が伝わらない。こんな経験は社会人なら誰もが持っているのではないでしょうか。
伝えたいことはあるのになかなか伝わらない。それでは、どうやって解決しましょう?
プレゼン技術を学びますか?
コミュニケーションスキルを磨きますか?
それともライティングの技術でしょうか?
これらの技術も大切です。でも、その前に「伝えるべきこと」は整理できていますか? 伝わらないのは伝え方が悪いだけではありません。伝えるべきことをきちんと出し切ってない可能性もあります。こちらの可能性の方が高い。
そこで伝えるために最も大切なコンテンツ「伝えるべきこと」を考えるスキルを最初に鍛えましょう!
社会人のための「考え方」講座の第五回です。前々回「問題解決最強のツールを手に入れよう!」と前回「最強ツール「ロジックツリー」を使いこなす」でロジックツリーを紹介しました。
ロジカルシンキングには大きく二つのテーマがあります。「問題解決」と「伝える」です。今回は伝えるための最強ツール「ピラミッドストラクチャー」を紹介します。
目次
伝えの最強ツール!ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーとは、課題(イシュー)に対して伝えるべき結論を「分かりやすく」かつ「論理的」に導くためのツールです。
図をご覧になるとわかるように、ピラミッド型をした階層構造で表現されています。一見すると、ロジックツリーを縦横入れ替えただけに見えます。見た目としては確かにその通りです。
ですが、使う目的も作るための手段もかなり違うものです。全くの別物と考えてもらって良いと思います。
では、早速解説していきます。
目的:メインメッセージを導くため
ピラミッドストラクチャーを作る目的はメインメッセージを導き出すことです。メインメッセージとはピラミッドの頂点にあるもの。これは問い(イシュー)に対する最終的な答えであり、自分の考えがギッシリと詰め込まれたシンプルかつ具体的なメッセージです。
ロジックツリーは頂点を決めてから分解していく。一方でピラミッドストラクチャーは最後に頂点のメッセージが出来上がる。最終的な見た目は同じでも、思考のプロセスは全くの反対なのです。
問いに対してメインメッセージだけで全ての全体像を語れないとダメです。
構造:メインを支えるキーメッセージ
メインメッセージを支えるのがキーメッセージです。キーメッセージは複数あり、その複数で枠組みを構成しています。イメージをつかむために一番簡単な例を出します。
「安くて」「早くて」「うまい」から「吉野家はサイコー!」
・メインメッセージ:「吉野家はサイコー!」
・キーメッセージ:「安くて」「早くて」「うまい」の3つ
・枠組み:「安くて」「早くて」「うまい」の構造
枠組みというのが出てきました。この枠組みを考えることはピラミッドストラクチャーを作る上で非常に重要です。良い枠組みとは「MECE感」と「ダイレクト感」が両立している枠組みのこと。
構造:キーメッセージを支える情報
キーメッセージは情報によって支えられます。なぜキーメッセージが言えるのかを客観的な情報として支える必要があります。この部分が薄いとせっかく良いメッセージを導いても、裏付けがなく軽いロジックになってしまいます。
まとめ
今回はピラミッドストラクチャーについて学びました。
・メインメッセージを導くためのツール
・メインをキーメッセージで支える
・キーを情報で支える
・メインは問いに対して「言いたいこと」を詰め込んだもの
・キーはMECE感とダイレクト感のある枠組みにする
まだ具体例が少ないので、イメージがわかないと思います。また別の記事で具体例をつけて説明していきます。
最後に吉野家のピラミッドストラクチャーを載せておきます。かなり主観が入っているものです。自分の意見をまとめるという意味でご理解ください!
関連記事:考えるとは「論理の枠組みを考える」こと