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考えるとは解釈すること。もう「で?」と言わせない。

社会人のための考え方講座。考えるとは解釈すること。もう「で?」と言わせない。

せっかく資料をまとめて報告したのに上司から「それで?」「何が言いたいの?」「ポイントは?」と言われたことはないですか?

もしくは逆の立場の場合もありますね。新人から受け取ったメールを読んだけど、結論が何かわからない。そもそも依頼なのか情報共有なのかも不明。だから「で?」と言いたくなる。そんな経験はありませんか?

結局何が言いたいのかわからない。そんな「伝え」が世の中に意外と多いのも事実です。「で?」と言わせない。そんな伝えを論理的に考えることが必要です。

考え方講座第7回のテーマは「論理的に考えるとは解釈すること」です。

ロジカルシンキングの「伝え」の中でも難しいテーマです。一方で、この解釈が最終的なアウトプットの質を決める大きな要素です。ぜひ学んで身につけましょう!

解釈しないと「で?」と言われる

ビジネスフレームワークは便利です。研修で3Cを学ぶと、それを使って市場・競合・自社の枠組みで分析を始めます。

そうすると何が起きるのか? 次の図のようなメモを作る人がいます。

ピラミッドストラクチャー。解釈がないキーメッセージ

何がダメなんですか?

これは情報を3Cで整理して分類したものです。市場・競合・自社の観点で情報を整理し分類しています。3Cは前回学んだMECE感とダイレクト感を持った枠組みです。それでキーメッセージを作っているのです。

でも情報を整理しただけで終わってしまう。これを上司に見せると「で? 何が言いたいの?」と言われてしまう。これは実に勿体無い。

情報の整理は得意だけど、自分の意見がない人もいます。

考えるとは「解釈する」ことです。

  • 集まった情報を解釈して、どんなキーメッセージが言えるのか?
  • キーメッセージを解釈して、どんなメインメッセージが言えるのか?

これを考える。

最終的なメインメッセージを作る。そのためには「解釈する」ことが必要です。キーメッセージをただ並べること。枠組みをただ並べること。これはどちらもメインメッセージではありません。

最高のヒトコトから最高のメッセージ「最高に言いたいこと」へとメインメッセージの質を引き上げることが「伝える」上で重要です。

先ほどの図にメインメッセージを解釈で導いたサンプルを記載します。

ピラミッドストラクチャー。解釈してメインメッセージを追加

良い「解釈」をするためには?

解釈を相手に委ねない(マインド)

自分の結論を出さずにアイマイにする。そういうマインドの人がいます。報告を聞いても要点がわからない。何を求めているのか不明で、こちらが手を差し伸べて「こういうことが言いたいの?」と解釈を手伝わないといけない。

このようなマインドを持っている場合はぜひ改めてください。まずは自分で答えを見つける。それがあっているかどうかではなく、自分で結論を出すことが大切です。

メッセージがあれば、それをベースにすり合わせができます。意見がない支持待ちの姿勢はやめましょう!

情報の海に溺れない(マインド)

ビジネスの世界で勝敗を決めるのは必ずしも情報量ではありません。持っている情報をどう解釈するのか、今このタイミングで何が言えるのか、を考えることの方がよほど重要です。

情報がそろってないことを言い訳にして、思考停止になってませんか? いつまでも情報が足らないと思って探し続けるのはダメです。

情報はいくら待っていても完璧になることはありません。重要なのは現時点で手元にある情報を使ってピラミッドストラクチャー を作る。そしてどんな枠組みで語るのが良いか。メッセージをどう解釈すれば良いのか。今このタイミングでイシューに結論を出すために考える、その意識が大切です。

今答えを出す、という気持ちでいましょう!

自分で「で?(So What?)」を問い続ける(スキル)

イシュー(問い)に対して何が言えるのか「で?(So What?)」を問い続けることが重要です。

・情報を眺めて、それで何が言えるのか?

・キーメッセージを眺めて、最終的に何を伝えたいのか?

を自分自身に問い続ける。伝えた相手に言われる前に、自分自身に「で?」と言う

基本的なことですが、結局何が言えるのか、何を伝えると良いのかを自分自身に問い続ける。この過程が最後のアウトプット「メインメッセージ」の質を決めるのです。

参考:考えるためにもっとも大切なこと3+3

論理的思考の答えは一つではない

ロジカルシンキング(論理的思考)を身につけると、唯一の答えにたどり着くと思っている人がいます。しかし、それは間違いです。ピラミッドストラクチャーのメインメッセージは作る人によって異なります。それはなぜか?

考えるには「解釈する」プロセスがあります。その過程で自分としての考え「意志」をこめる必要があります。このプロセスによって結果は人それぞれなのです。

「真実は一つかもしれない、でも真実をどう捉えるかは自分次第」

では「みんなちがって、みんないい by金子みすゞ」なのか?

それも極端すぎます。メッセージを伝える相手にとって必要とさせる解釈をすることが大切です。

注意
必ずしも耳障りの良いことを伝える、というのとも違います。究極の伝えは、自分の「言いたいこと」ではなく相手にとって「言うべきこと」です。それが必ずしも相手が望んでいた答えとは限りません。

大前研一さんと僕では同じ情報でも全く違うメッセージにたどり着くと思います。そして、その答えは大前研一さんの方が良い。やっぱり人によって解釈が違うんです。
論理的思考をトレーニングして、少しでも近づく。彼はなぜそう考えたのかを考えるといいですよ!

まとめ

今回の考え方講座はロジカルシンキングの「伝え」の中で最も難しい「解釈する」をテーマにお伝えしました。「最終的なメッセージを導き出す」=「解釈する」=「考える」です。情報をカテゴリーに分けるだけでなく、「情報を解釈して自分の意見を伝える」ことが大切です。

質の高い解釈を考えるためのキーワード

・意見を相手に委ねない

・いつ意見を考える? 今でしょ!

・で? を問い続ける