社会人のための「考え方」講座の第1回では「問いを考える」という話をしました。第2回となる今回は「考えるためにもっとも大切なこと」をテーマにお話ししたいと思います。
具体的には「考えるための心構えとはいったい何か」「より深い考えをする(考えの質を上げる)ために何をすれば良いか」を説明します。
「考える」スキルの土台になる大切なものですから、しっかりマスターして欲しいと思います。
考えるべきことを考える目次
まずは3つの「心構え」を確認しよう
はじめに考えるための心構えができているかをチェックしましょう!
以下の質問に答えて下さい。
自分の意見を持つ必要性を感じない
考えるのは面倒だ、思いついたことだけ話せばそれでいい
自分の考えが伝わらないのは相手がわるい
もし、ひとつでもチェックがはいるようなら、すぐに改善する必要があります。当然、この記事を読んでいる人にはいないと思いますが・・。
深く考えるためには「心構え(マインドセット)」が重要です。当たり前のことですが、考えるつもりがない人に、いくら考えろと言っても無駄です。
心構え1:自分の考えを持つ
自分の考えを持つ、自分の考えを伝える、という意識が弱い人がいますが、「考え方」を学ぶ上では致命的です。社会人として、まずは「自分の意見を持つ」ことを常に意識しましょう。
さらに上を目指すなら、誰かに質問をされてから考え始めるのではなく、いつ自分の意見を尋ねられても良いように事前準備をするということも大切です。
心構え2:考えの質にこだわる
たとえ自分の考え・意見を持っていたとしても、それがその場の思いつきのような浅い考えでは残念でなりません。考えた結果は「メッセージ」というアウトプットとなり、誰かに「伝える」ことになります。
メッセージの質を高める、考えの質を高める、という意識を持つことが重要です。
心構え3:伝えの責任は全て自分にある
自分の意見が相手に伝わらないと、相手の知識レベルや理解力を疑いたくなる時もあります。しかし、このような考えでは自分の成長を止めることになります。
相手に伝わらないのは自分のメッセージが弱い・外しているからではないか、と常に考え、メッセージや伝え方を考えるという意識が必要です。
まずは自分のできることに集中し、自己責任で相手に意見を届ける意識が重要です。むしろ伝わらないのは、まだメッセージに改善の余地がある、と前向きに捉える方が良いです。
考えの質を上げる3つの基本
心構えは十分にできたところで、「考え方」の3つの基本を押さえたいと思います。基本とは言っていますが、これから学ぶ「考え方」の全てのスキルの源泉ですので、しっかりとマスターしてください!
考え方の基本1:あいまいな言葉を定義する
あいまいな言葉を出発点に考えると、結局あいまいな結論になります。特に「問い(イシュー)」があいまいだと致命的です。まずは自分の考えとして「あいまい語」を定義する必要があります。
特に「問い」にあいまい語があるときは、自分は「問い」をこう理解して考えました、と言うフレーズを最初に挟むことで相手との認識ギャップの有無を確認することができます。
考え方の基本2:モレなくダブりなく考える
「考え方」の基本として「モレがなくダブりがない」ことが重要とされています。考えに抜けがあったり、だぶって考えたりしてはダメということです。
ロジカルシンキングの用語では「モレがなくダブりがない」ことをMECE(ミーシー:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)と言います。よく出てくる用語ですので、聞いたことある人もいると思います。このサイトでも良くでますので覚えてください。
考え方の基本3:自分に問い続ける3つのフレーズ
最後に基本の3フレーズを覚えましょう!この3つの言葉は常に自分に問い続けることが重要です。
- なぜ?(Why?)
- ほんと?(True?)
- それで?(So What?)
まとめ
今回は「考える」ためにもっとも大切なことを学びました。重要な「心構え」3つと「考える」質を上げる3つの基本です。時に心構えを忘れることもありますので、たまには基本に戻って記事を読み返してみるのも良いと思います。